第22章 信頼
クロと初めて一緒に過ごすクリスマス。
私はウキウキ気分で放課後を迎えた。
今日は終業式だ。だから部活の時間が短くて13時~16時まで。
だけど委員会があるため、部活の時間はどんどん削られていく。
そんななか、1時間の長い委員会が終わった。
私はカバンにファイルを入れると、あることに気づいた。
…古典のワーク教室に忘れた。
私は委員会をやっていたラーニングルームを出ると、急いで自分のクラスに向かった。
教室に着くと、教室の中には女子生徒2人が残っていた。
「アレ?木兎じゃん。…あ、もしかしてこのワーク探してる?」
そう言って私の探しているワークを片手で持ち上げて私に見せた。
…もしかしてどこかに落としてたのを拾ってくれたのかな?お礼言わないと。
「ちょうど探しに戻ってきてたんだ。ありがとう」
「いーえ。…あ、木兎のカレシの黒尾先輩が屋上でアンタのこと呼んでたよ。」
「え、うそ!ありがとう。本当に助かった。」
ワークをカバンの中に入れて、急いで屋上へ向かった。
この時の女子生徒2人の顔を見ておけば、と後悔するのはもう少しあとのこと。