第21章 思いを込めて。
「お、…お邪魔します」
「緊張してんの?(笑)」
緊張するでしょ…。
だって、クロの家初めてだし、そもそもなんかすごいクロの匂いするし、…あー、もう緊張というか、恥ずかしいと言うか…。
「まー、親いないからそんな緊張することねぇよ」
親がいない宣言をされた、ということはもしかして…そーゆーこと?
頭が爆発寸前なままクロの後ろをついて行くと、クロの部屋のドアと思われる1つのドアにたどり着いた。
「ここ、俺の部屋」
そういい部屋を開けると、部屋の中は、黒が多めの家具でまとめられていた。
私が部屋の中を観察していると、クロが言う。
「ちょっと待ってて、飲みもの取ってくるから」
クロが部屋を出ていこうとした時、私は思わずクロの手首を握ってしまった。
…自分でもなんでこんなことしたのか分からない。
クロだって驚いてるし。
「行か、ない…で…。」
我儘だよ、こんなの。
ダメ、クロに迷惑なことしてる。…めんどくさい女だと思われちゃう。