第3章 共通点
「あ、黒尾さ、もし暇だったら家入る?
今、俺と綾菜しかいないし、久しぶりに話そうよ」
「おう。ちょっとだけな。」
俺は木兎にそう、言葉を返すと、
玄関に靴を脱ぎ捨て、木兎の後ろを着いていった。
「なーなー、綾菜の部屋、覗いてみるか?」
「いいぜ。覗きとか、男のロマンだろ?」
なんて、バカな話をしてると、
後ろから声がした。
「は?そんなこと許すとでも?
ホント、男って…だから信用出来ないのよ」
綾菜の表情(かお)は悲しそうな顔をしている。
新しい表情なのに、こんな顔見ても、嬉しくなんか、ねぇよ。
…てか、綾菜って、
昔、男となんかあったのか?
ま、俺が突っ込むとこじゃ、ねぇか。