第18章 密着
私たちは、水鉄砲や水風船を持って、みんな色々な所へ散らばり始めた。
ルールは、びっしょり濡れたらアウト、との事だった。
クロと一緒に隠れたいけど、そんなことしたら迷惑だよね。
そんなことを考えながら、裏庭の水飲み場まで向かうと、水鉄砲と水風船に水を入れた。
私が呑気に水を入れていると、突然後から声がした。
「黒尾先輩のカノジョみーっけた」
この人は、多分仲間じゃ、無い?
私は、水を入れ終わっている水風船を手に取ると、背の高い、瞳が綺麗なハーフの男の子に投げつけた。
「容赦ないですね、じゃ、オレも手加減はしませんよ」
これはもう、逃げるしかないよね。
そんなとき、突然私のことを大声で叫ぶ誰かが…。
「綾菜!こっちこい!」
「あ、夜久さん!」
夜久さんと言われたこのお方。
あのときの小さくて可愛いらしい人だ。