第17章 きす
「…クロ、顔真っ赤」
珍しいな。
いつも余裕だらけのクロが、顔を真っ赤にさせて。
「うっせ……早く行くぞ」
私はクロが先に歩いたので、追いかけるように少し小走りした。
そして、クロの顔を覗き込み言った。
「クロとキスいっぱい出来るなら、身長高くて嬉しい」
「…う、うっせ!」
今日は色んなクロが見れるな…。
なんて、少し嬉しかった。
「今日は私の方が照れてないかも…」
「あれ?えっちのときは……フガガッ」
私はクロの口を抑えて言う。
「あれは忘れてって…!」
「あんなの忘れられる訳ねぇじゃん。
あんなエッチな表情の綾菜も、エッチな声の綾菜も……って、いたい!謝るからヤメテ!」