第17章 きす
目の前は、真っ暗だった。
そんな時、パッと辺りが光り私の目の前には顔が見えた。
その顔は私の初恋の人。
私はその人の
声が好きで、
笑顔が好きで、
仕草が好きで。
全てが好き。
静寂の部屋に、ひとつ声が聞こえた。
「すき」と。
だから、「わたしも」と、応えようとした時に突然髪を引っ張られ、頬を殴られた。
「いたい…」
小さく声を出すけど、その言葉は届かない。
すると、そんな時また聞こえた一つの言葉。
「怖いよな?でも、俺がいるよ、大丈夫。」
偽りの笑顔、偽りの言葉。
わたしはそんなものを求めてない。
本当の笑顔、本当の言葉。
わたしは心から愛して、愛されたいんだ。