第16章 ほっぺとくちびる
夏休みも終わろうとしているのに、課題が終わらずただ涼しい自室でゆったりとくつろいでいた今日この頃。
そろそろ勉強しないと…
そんなことは自分が一番分かってる…分かってるけど…
人にやれって言われるとどうしてもやりたくなくなるのが私の悪い癖で…
そんなことを考えていると、ちょうど充電をしていたスマホが音を奏で始めた。
画面に現れた文字を確認して、私は電話に出る。
「どうしました?」
「どうもしないけど。用事なかったらダメ?」
「…ダメじゃないです」
ヤバい、クロと話してたら勉強なんて全く進まない。
…でも、いっか。
今は私以外の家族全員がどこかへ行ってしまっているので、怒られる心配はない。