第14章 ことば
電話をかけてから二分も経たないうちに二人は来た。
走ってきているはずなのに、息切れはしてない。
…流石だな。
すると、光太郎は私を抱き締めると、口を開いた。
「お前ちょーにあってる!
…あー、なんか泣ける…」
だんだん涙声になった光太郎。
髪の毛だけで泣いてしまうなんてどんだけ涙脆いのだろうか…
「…かわいい…
髪も切ったんだし、これからは俺のことだけ好きになってな。…ま、目移りなんかさせねぇけど」
「当たり前ですよ。
…てか、入口でこんな事してたら迷惑だよ。外でようよ。」
周りを見渡すと、チラチラとこちらを見てくる人が結構いた。
…う、ごめんなさい…