第13章 愛してるじゃ、伝わらない。
ガチャり、音を立てて玄関が開く。
「あ、やめて…ごめんなさい」
「邪魔。どっか行けよ。迷惑だから。」
と、私にいい家の中から持ってきたのか、満タンのペットボトルを私の頭の上から滝のように零してきた。
…冷たい…
…服濡れちゃったか
頭は思ったより冷静で。
だけど京治のことをカッコイイとか思えずにただ怖い、と思うだけだった。
…前まであんなに好きだったのにな。
「ゴメンね」
そう、笑顔で言った。
…だって、最後ぐらい笑顔でいたいじゃない
だけど京治は私の笑顔なんて見たくなかったかのように、わたしに冷たく言い放った。
「その笑顔で男と遊んでるんでしょ?
…ヤれればそれでいいんだ。…人間以下だね。」
…それは京治じゃん。
そう思ったけどそう思われていたことがものすごく悲しくて、私は何も返事をせずにその場から走ってその場を去った。