第10章 愛は狂気に
「綾菜、一緒に帰ろうよ」
と、赤葦くんは私を誘ってくれた。
もちろん答えはYESなのでこくんと首を縦に降った。
「じゃあ行こ。」
この頃の私たちは160センチ後半で、あまり身長差はなかった。
なので、横を見ればすぐに目と目が絡み合ってしまう訳で…
こんな時に、ちっちゃい子がいいなぁって思う。
しかも、ちっちゃい子の方が可愛くない?
なんて考えていると、突然赤葦くんに声をかけられた。
「綾菜。突然なんだけど…」
「なに?」
「…好きだよ。」
私は思わず立ち止まってしまう。
…声も出ない。
こんな、幼い告白の仕方なのに、ただ、好きって単語を私に言ってくれただけなのに。
すごく、嬉しい。