第9章 ドキドキだらけの1日を・・・
「綾菜行くぞ。
俺ん家に来ればいいよ。」
そういい私の手を引いてくれるクロと、
無言で私の手を強く握る京治。
すると京治が声を出した。
「ねぇ、また違う男と遊んでるの?
ホント、サイテーな女だよ。」
「違う…そんなんじゃないよ」
ホントはもっとキッパリと言ってやりたいのに、
緊張と、酷いことを言われた怒りで声が震えてしまった。
「綾菜はまた、逃げるんだね?」
そういい、俺について来い、というように私の手を強く引いた。
「クロ、ゴメンなさい。光太郎に遅れて帰るって伝えといてくれると嬉しいです。」
「イヤ、俺もいるよ。
まぁ、でも二人で話していいぜ?
俺、あっちの方で待ってんから。」
そう言うと私にお礼の言葉も言わせる隙を与えずに歩き始めた。