第3章 あっと思ったら…
教官「おい、じゃー出動するぞ。昨日の大雨で足場が悪い、それに加えて落石の恐れもある。気ひきしめていくぞ!1人でも多く、行方不明者を見つけること!」
はい!! みな、それぞれの持ち場へ歩き出す。
教官「おまえは、この周辺を調べろ。俺はもう少し奥を探しに行く。」
あずさ「私ももう一人前です!奥の方まで行きたいです。」
教官「俺の命令が聞けねーのか?」
あずさ「わかりましたよー。」
私は歩き出す教官をしぶしぶ見送った。
ルナが遠くでワンっと吠える。
何かを見つけたようだ。
私はルナの方へ走り寄る。
そのとき、ルナの頭上に落石が転がってくるのが見えた。
あずさ「ルナ!!」
私は叫び、ルナの元へ無意識に飛び込んだ。
ドンッ! 耳をつんざくような音と共に全身に痛みが走る。目の前が白くなり、私は意識を失った。
どこからか教官が走り寄ってくる音がする。
教官「おい、おまえ!しっかりしろ!すぐどけてやるから、目をつむんな!」
教官の怒鳴り声が遠くで聞こえた。