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Pink*Flower Blossom〖R18〗

第5章 ♡甘い快楽と苦い花


『ははっ、やっぱりそう思うよね。
うん......普通は、ね。』


その言葉を聞き、はっとする。
三男が第二当主になる時点で、“普通”ではないのだ。
きっと、なにかしら大きな事情があるのだろう。


「あ......ごめんなさい。
えっと、もう本当に...
この件については何も聞きませんから。
色々教えてくださってありがとうございます」


ぺこり、と頭を下げる。


『ううん!全然だよ!
そんな畏まらないで!!
でも、そうだね...どんな理由があれ、こんな名家の第二当主なんて
きっとほとんどの人は大喜びするはずなんだ。』


「......?」

落ち着いた声が聞こえてきて
めるはそっと顔をあげる。


『でも、はなは喜ばなかった。
......はなはね、めるちゃんが思っているより
ずっとずっと素朴で愛のある人間だよ。』


「......」


『あと......壊れやすい。』


羊がぼそり、と呟いた。



「え...?」


『あー.........ふふっ、
ああ見えて、ガラスのハートなんだよ、はなはっ。
......よしっ!この話はおーしまいっ!
さっ、洗濯のつづきつづきー!』


そのまま洗濯物に手をかけようとむこうをむいた。
が、何かを思い出したように
すぐに羊はもう1度こちらを振り返った。


『あ!!!いっちばん大事なことを忘れてたっ!』


「......?」


すると、みるみるうちに羊の顔が赤くなっていく。


『あ、の...さっき...
はな、が言ってたことって...その...』


「?」


『だ、から...めるちゃん、と、はな...って...
その...つ、つつ付き合って、...た、り...?』


羊は真っ赤な顔で不安げにこちらを覗き込んでくる。


「...え?!...あ!
ち、ちがいますっ!
花臣さんとは、そんな関係では...っ!」


『ほ、ほんとに...?』


「本当です!
それに...花臣さんだけでなく、誰ともその...
お付き合いとか、は、していません...!」


『そ、それ...本当の本当?』


「本当の本当の本当です...!」


『...っ...よかったぁ!!』


羊は安心したように微笑む。
その笑顔は、いつもの
...いや、いつも以上の、
太陽のような明るく暖かい笑顔だった。
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