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Pink*Flower Blossom〖R18〗

第9章 ♡甘い蜜には毒がある


『あっ...!』


「っ!?」


やはり叫ぶと同時に体を崩れ落とす雪臣に、
めるは彼の言葉に構わず駆け寄り、その体を支えた。


『...!?だ、から...だめだって...』


「だ、めですよ...離したら雪臣さん、
また床に落っこちちゃいます」


『でも...本当に...俺...い、ま、触れられると......』


言葉が言い終わらないうちに
荒い息を吐く唇が
ゆっくりとめるの頬を掠めた。


「えっ.........」


気づいた時には雪臣の顔が
目の前にあり、
次されるであろうその行為に、
驚きに見開いた瞳をめるは思わずぎゅっと瞑る。


『......っ』


と、彼の唇は、めるのそれにギリギリ重ならない場所にふわりと触れた。


「......っん...」


『...っ......』


柔らかな感触が離れ、
おそるおそる目を開けると
とろんとした瞳で、しかし思いっきり苦しそうに眉を寄せた雪臣とばちりと目が合う。


『.........』


「ゆ、きおみさ...?」


『はや、く...離れて......』


「で、でも......」


頬を真っ赤に染め、苦しそうに歪める顔に
つーっと汗が流れ落ちる。

こんな状況にも関わらず、これほど間近で雪臣を見たのは初めてで
その美しすぎる顔立ちに
一瞬我を忘れて見とれてしまう。


『...、め、るさん...?』


そんなめるに対し、不思議そうに
名前を呼びかけたその声をかき消すように
雪臣のポケットからメロディが流れた。


(♪〜)


『...っ』


荒い息で雪臣が携帯を取り出すと
画面に映ったその名前を見て、
さらに苦しげに顔を歪め
すぐさま音を消しポケットに戻す。
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