第9章 ♡甘い蜜には毒がある
相も変わらずよしよしと頭を撫で、
ぎゅーっと身体を抱きしめて安心させてくれる。
そんな優しい羊に、
めるも思わずぎゅっと身体を預け
その胸に寄り添う。
『.........っ!?......』
「......っ、ぐす...っ...」
『...........』
「...ぐす、...っ......
羊さん...ごめんなさい...
その、ありがとうございます...」
『.........い、いや.....』
羊の体温に、徐々にめるの心も落ち着いてくる。
そのまま羊に身体を預けながら
ぽつりぽつりと口を開き、羊に話しかける。
「.........私...羊さんになにかしてしまったなら...本当に、本当に...ごめんなさい...。
我儘なのは分かってますが...私、本当に...羊さんには嫌われたくないんです......何かあったなら、教えてください。...お願いします...」
言うと、めるは羊に縋るように
ぎゅっと優しくしがみつく。
『...っ!?......う、...そ、その...
あ、あの、あの...あのねっ...!
と、とりあえず、その......誓って!めるちゃんに何かされて嫌いになっちゃったとか...そ、そういうのでは、ほんっとーに!ない!から......だから...』
「......ほんと、ですか...?
それじゃあ...どうして...。
...本当に、体調の方が優れないんでしょうか...?」
『え!?...う、ううううーん......。
まぁ...ある意味...それは、そうっちゃそう?なんだけど...えっと、うー...え、ええっと、ね...』
「.........?」
『.........』
「......あ、あの...?」
『.........あー......お、俺ね、少女漫画...よく読むんだ』
「.........?...え...は、はい...」
唐突な、よく分からない告白に
めるは首を傾げながらそれにこたえる。