第9章 ♡甘い蜜には毒がある
『う!...だ、だめっ.....!』
瞳を潤ませためると近距離で目が合い、
羊は堪らず目を逸らす。
「......あ...ご、め、なさ...」
そんな羊の反応に、
我慢の限界に達しためるの瞳から
ついに涙が零れ落ちる。
『て!うわああ!違う!
だから!違うんだって!!
あああああもう!ど、どどうしようっ...!』
「す、みませ...!
ごめんなさい...!
本当にごめんなさい...!」
はやく泣き止まないと...という
気持ちとは裏腹に、
めるの涙はどんどんと溢れ止まらない。
『あああああ!ごめんね!
本っ当にごめんね!!
めるちゃん......
ちょっと、も...本当に、ごめんっ!!』
羊は、大きな声で謝ると
震えるめるのその身体を思いきりに抱き寄せた。
「......っ!」
急に包まれた羊の腕の中の暖かさに、
めるは瞳を瞬かせる。
『ごめ...本当に、ごめん......。
お願いだから、泣き止んでめるちゃん...』
片方の手で、強くめるの身体を抱きしめながら
もう片方の手でよしよしと優しく頭を撫でる。
そんな羊の暖かさに、
めるはやっと安心感を感じ
自然と涙もおちついてくる。
「...っ、......ぐすっ...っ...
ごめ、なさい...私...
また...羊さんにご迷惑を...っ....」
『......めるちゃんに対して迷惑なんて...
そんなこと思ったことは1度もないよ。
勘違いさせるような態度取って、本当にごめん。
本当に...本当に、違うから......』