第8章 ♡その想いは甘く優しく、そして我が儘で
「え...花臣さ、起きて...ん、んん!」
甘い声が耳もとで聞こえたと思ったら
今度は優しく唇を塞がれる。
ちゅっちゅっ、ちゅっ...
ちゅ、ちゅっちゅ...くちゅ...
「ん...は、ぁ...ん、ふぁ...ん」
『ちゅ、ちゅ...は、ぁ...
はぁ...めるちゃん、可愛い。』
ゆっくりと唇を離すと、
花臣はにっこりと微笑む。
「はぁ、はぁ......そ、んな...こと...」
突然の優しく蕩けるようなキスに加え、
真正面から可愛い、なんて言われ
平常心でいられるはずもなく
めるは顔を真っ赤にして俯く。
『...そんなこと、あるよ。
目が覚めたらめるちゃんがいて...
可愛すぎて、一瞬天使かと思っちゃった。』
「......っ、て、天使は、
は、花臣さんですっ...!」
『えー?なにそれ、どういうこと?』
花臣は笑いながら、もう1度
めるをぎゅーっと抱き寄せる。
「...っ......だ、って...花臣さんが...
可愛い......から...」
『えー?可愛いって言ってくれるのも、
めるちゃんにとってのそれが
マイナスの意味じゃないなら悪くないけど…。
...でも僕、こんなんでも一応男の子だからさ、
好きな人にくらいは、
ちゃんと“かっこいい”って言われたいなぁ』
「え、あ...えっと...」
『あれ?ちゃんとわかってる?
僕の好きな人...つまりめるちゃんには、
僕、かっこいいって思われたいんだけどな?』
「......っ.........」
花臣からの、クラクラしてしまうほどの
甘い言葉の嵐に
めるは頭がオーバーヒートし
何も言えなくなってしまう。
『ふふっ、めるちゃん...
もしかして照れてる?
心臓がすごくドキドキいってるよ?』
「そ、んな...こ、こんなの...!
て、照れるに決まってますっ...!」