第7章 ♡月と雪と日陰の花と、日向の花
「.........」
『......』
花臣はめるを愛おしそうに見つめると、
ゆっくりと顔を近づける。
『...めるちゃん......』
「...っ」
今にも唇が触れそうな距離で、
花臣が甘く言葉を紡ぐ。
『......好きだよ。』
「.........っ......ん!」
『ん...すき...んん...ちゅ、ちゅっちゅっ...』
「ん...んん、ん...」
そのまま、とろけるほどに優しいキスを落とされる。
ちゅっ、ちゅっちゅっ...
くちゅっ、ちゅっ、ちゅう、ちゅう...
「ん...んう、ん...は、ん、んん」
『ちゅっ、ちゅ......はぁ......
めるちゃん......』
唇を解放すると、今度は優しく頬を撫でられる。
『めるちゃん...好き...。好きです。
......僕と...結婚を前提に、
お付き合い...してください。』
「......っ...」
花臣の真剣な瞳に
めるは言葉を詰まらせる。
『......本気で、好きなの...。』
「.........」
花臣の真剣なその思いは嬉しいが
すぐに彼を好きになれるはずもなく、
そして何より、
月臣や凌に好きに扱われている今の立場で
特定の誰かとお付き合いなどできるわけもなく、
めるは困ったように瞳を泳がせる。
「......花臣さん、の、気持ちは...嬉しいです...。本当に、嬉しい、です......。
ありがとう、ございます......。
...でも......今、は、わたし......」
『.........』
「今、は......その気持ちにお答えすることは...できま、せん......。」
一体どんな反応をされるだろう...と
怯えながらちらりと花臣を見る。