第6章 ♡飼い主不在のペットには
「あ...花臣さ...」
『花臣...起きちゃった?
疲れてたのに、ごめんね』
『ううん、大丈夫だよ。
そんなことより雪にぃ、
僕の大好きな雪にぃの悪口、また言ってた。』
『ん?あ...聞こえちゃってた...?
ん...ごめん。』
『雪にぃが謝ることじゃないよ。
でも、雪にぃが自分をどんな風に思ってても
僕にとってはヒーローだから。
それは、忘れないでね。』
『.........』
『よしっ、そろそろ、時間なんだよね?』
ふぅ、と1回息をつくと
花臣はめるに向き直る。
『めるちゃん、ありがとう。
おかけでかなり元気になったよ。
めるちゃんの身体、柔らかくて温かくて
いい匂いで......
ものすっごーく!幸せだった!』
「あ、いえ...そんな…!」
『雪にぃも、呼びに来てくれてありがとう!
それじゃあ、めんどいけど
補給したぶん頑張るか......
はぁ...よしっ!またね!』
「え...!ちょ、花臣さっ...!」
にこっと笑って部屋を出ていく。
さっきまであんなにフラフラだったのに、
本当に大丈夫なのだろうか。
心配に思うめるをよそに
そんな花臣を追って、雪臣も立ち上がる。
『...じゃあ、俺も花臣の補佐もあるし、行くね。
色々とありがとう。......それじゃ』
「あ......ま、待ってください!」
雪臣が部屋から出ていくーその時、
めるは無意識に彼を呼び止めた。
『...?なに?』
「あ...いえ...その......」
『...?用がないなら、俺もう行くけど…』
「あ......さっきの、こと、なんですけど」