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Pink*Flower Blossom〖R18〗

第6章 ♡飼い主不在のペットには


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コンコンコン



花臣が眠ってから、
10分ほど時間が経ったあと
部屋にノック音が響いた。

扉を開けないと、という気持ちもあるが
約束してしまった以上
今は花臣から離れるわけにもいかず
どうしようかと思考を巡らせる。

ノック音の主に、部屋の中から声を出し
今の状態を伝えて待ってもらえないかと交渉したいが
せっかく気持ちよさそうに眠っている花臣の傍で
大きな声を出すことも躊躇われる。

そんなことをぐるぐると考えていると
ガチャ...と音を立てて扉が開いた。


「あ...」


そういえば、のしかかっていた花臣の身体を
移動させることで精一杯で
鍵を掛け忘れていたことを思い出す。


『あれ...開いて......ごめ』


まさか開いているとは思わなかったのだろう。
開いた扉から顔を出した、
いつもより本当にほんの少しだけ目を開いた雪臣と目が合った。


「い、いえ...!
すみません、その...今、こんなかんじで...
ドアを開けられなくて...」


『いや...こちらこそ、
開いてるとは思わなくて......
て、あ...花臣、やっぱりここにいたんだ』


気持ちよさそうに眠っている花臣を見て、
雪臣は、ふっと柔らかい表情になる。


『...花臣は、君のことが、本当に好きみたいだね』


「え?!」


『......?
なんでそんな、驚いた顔、してるの?』


「え、だ、だって...その...
花臣さんは......」


(私のこと、ただの性欲処理の道具としか
思ってないし......)


頭の中でそんな考えが交差し、
どういう反応をすればよいか分からず
めるは困ったように笑う。


『......?
...なに、その顔。
まさかとは思うけど......
なにも気づいてない?』


「?
なにをですか?」


心底不思議そうに首を傾けるめるに
雪臣は小さく息をつく。


『...なるほど。
今の反応で十分わかったから、なんでもないよ』


「?」


めるの言葉に何かを諦めたようにそう返すと
雪臣は、ゆっくりと
めると花臣がいるソファに腰掛けた。
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