第8章 決意
3人の持ち物を囲み何か出来ないかと全員で頭を悩ませていると、コナンが大尉に暗号を運んでもらおうと言い出した。
レシートの文字を痒み止めを染み込ませた綿棒で上手く消しcorpse(死体)と車のナンバーを残していくのをぼうっと眺めていると、出来上がったそれを猫の首輪に挟んだ所で再び車が停止した。
「いいか大尉!俺達の命運はオメーにかかってんだ。この任務しっかり遂行するんだぞ?」
『(透くんに渡してね…大尉)』
コナンに気圧され、たじろぐ猫の頭を撫でると荷物の裏へ。
隙間からするりと出てきた猫に驚き抱き上げた配達員がレシートに気づいたときはヒヤリとしたが、幸い取られる前に逃れた為内容を見られることはなく、思わず歩美と手を握りあった。
「ねぇ、ちょっと。あの仔ポアロに行くってことはあの暗号あの人も…」
「逆にあの人に見せる為にあんな暗号にしたんだよ!すぐに気づいてくれるだろーぜ…黒ずくめの奴らの仲間、バーボンならな」
探偵団と共に安堵の息を吐く葵の後ろで交わされる会話に耳を澄ませる。
緊張を孕む2人とは逆に胸に広がる安心感にもう一度深く息を吐いた。
それから何度か扉が開いたが助けが来る気配はない。徐々に少なくなっていく荷物に小さく舌打ちするとそれに被せるように元太が声を出した。
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