第4章 メザメ
それを聞いた時雨は
『占いはね、占う者と占われる者との間で行われるやり取りだから。知りたいと思っている者には、占い師は答えなくてはならない。己のできる限るすべての力で。決して疎かにしてはならない。
そうですよね、侑子さん。』
と。侑子は
「そうよ。どの職業でもそれは同じことだけど、目に見えない、形にできないことだからって嘘をついたり、できないことをさもできるように振る舞うのは、本気の相手にも失礼よ。」
と、言った。それを聞いた君尋はハッとした。
「いいえ、占いは他人の生きる方向、いきすじに関わることだから、失礼だけでは済まないわね。」
と、さらに侑子は言った。
『だからこそ本物の占い師は、自分の占いに自分のいきすじを掛ける。』
時雨も付け足していった。
「つーことだから、帰ったら飲みなおす!!」
と、侑子が言った。それを聞いた君尋は
「ま~だ飲むのかよ!それに、つーことでって話繋がってませんから!」
と、突っ込んだはいいが侑子は
「飲みなおす~!四月一日、炭水化物!時雨も一緒に飲みましょ!」
と、聞いていなかった。君尋は
「もう~。太りますよ?それに時雨ちゃんは未成年ですから」
と、諦めていた。
「へーき、へーき。ガンガン飲むぞ~!炭水化物~!」