• テキストサイズ

君がため

第3章 ウラナイ




君尋は頷き、モコナがいるであろう台所へと行った。そして、居間に戻ってきたとき、突然キーンという音がし、空が歪み、1人の女の子が現れた。



「来たわね。」



 と、侑子は雨の中出ていき、その子をそっと抱き上げ、居間に横たえた。


 「四月一日、その子拭いてあげて。このままじゃ体が冷えるわ。」


 侑子は少し暗い顔をしながら、君尋に言った。


 〈まぁ、冷えるも何も彼女には必要ないのだけれど・・・。少しくらいは気休めになるでしょ。〉


 君尋は慌てながら、でも優しく少女を拭いていった。

 君尋がちょうど吹き終わった頃、おばあさんが口を開いた。


 「さ、君尋君。この子が起きる前に早く温かいご飯を作って頂戴な。」


 と。君尋は頷き、モコナを連れて少し急ぎ足で台所に戻った。



/ 16ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp