第4章 女神の軌跡(4)
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チャオ!トゥーナだよ。
愛しのジャンを守る為CR:5幹部四人の前に姿を見せたら、女神だってことを予想外にすんなり受け入れられて拍子抜けしちゃった!昔にベルナルドと接触してたのがよかったみたい。
みんなで脱獄するって話も成功したらジャンを次期カポにっていう事情も聞いちゃったし、これからは危険がいっぱい待っているかもしれないんだ。
ジャンの身を鉄分からも硝煙からも白濁飛び散る桃色イベントからも守らないといけないなんて。
もうドキドキがとまらないよ!
―――なんて。
シリアス展開かと思いきや、某Iceスケートアニメのはじまり風に現実逃避してみる。
いやだってさー…
「なんでわたし、実体化した上に男になって囚人服着て…ルキーノの房のベッドの上で膝抱っこされた状態で髪を触られてるの?」
「説明的だな」
「黙らっしゃい」
説明してるんですよ!
わかりやすくセクハラされてますよってね!
さっきまでジャンのところで話をしていたルキーノに、何故か帰り際連行されてしまった。
ルキーノ・ゴ…いやオ…グ…………もういい、ルキーノ。大柄で体格のいい赤毛のライオンヘアーにローズピンクの瞳。
前開きの囚人服を、ヘソの下まで見えるほど大胆に開ける露出高めな着こなしをしていて、見るからにジャンよりも大きい手…その右の甲にはCR:5のタトゥーが入っている。
「俺は女のままで構わない…というか、むしろそっちの方がいいんだが」
「ダメでしょ、バレたら大変だからね」
あなた仮にもマフィアの幹部ですよね。
頭ゆるそうな発言やめてくれないかな。
ジャンからの協力要請とか、望みはデイバンの支配地盤の復活とか、捕まったときの状況だとか。
真面目な話をしてたはずなのになぁ……どうしてこうなった。
「そろそろ戻りたいんですけど」
ジャンを一人にするの心配なんだよね。
ぺしぺし膝を叩けば、軽くお腹に回されていた片腕にグッと力を込められる。
「ちょっと、動けないってば……なにがしたいの…」
「まだ、肝心な話をしていないからな」
「話があったの?」
「なんの為に連れてきたと思ってる」
「…暇潰し?」
「…ほぅ、ならしっかり相手してもらおうか」
「え、なに…んっ……ふっ……」
髪を触っていたルキーノの右手が、スルッと服の中に入り込んできた。