第11章 修復
「そんなの……私だって同じだよ。でも、こうやって治は……何時でも私を優先する」
「当たり前でしょ。最愛の人なんだから」
「……。」
うふふ、と嬉しそうに笑う太宰。
紬は太宰の目を見て、
「知らないよ、本当に」
最終の念押しを行う。
「大丈夫。紬がマフィアだと云うことよりも、私と双子だと云うことの方が話題になったくらいだから」
太宰は頬にキスして嬉しそうに笑う。
「……そう」
それに釣られてか。
紬は今日、はじめて柔らかく笑った。
「………………。」
それを見てピシッと固まる太宰。
「治?」
その様子に首を傾げて疑問符を浮かべる紬。
次の瞬間にはベッドに背を預けていた。
嫌な予感が頭を過り、慌てて太宰に話し掛ける。
「待って、治」
「御免ね。もう限界」
「否!一寸待って!私は一緒に寝る事を許可した覚えしかないのだけど!?」
「そうだねえ」
「私は眠たいって先刻から何度もっ………ぁ!」
精一杯、抵抗を始めた紬だったが太宰の勢いは止まることなかった。
シャツをめくり、肌に手を滑らせながら満面の笑みで紬を見て、云った。
「一緒に『寝よう』ね、紬」
意味が違う!と抗議しようと開けた口を確りと塞がれて、
双りは4年振りに同じ寝床に収まるのであった。