第5章 工作
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「………で?」
中原中也は米神に筋を浮かべたまま、目の前の人物に話し掛けた。
「だからー襲撃に武器庫を使ってると思うから消費した分、補充しといて」
「手前がヤれ!!」
ダァン!と机を叩きながら勢いよく立ち上がり、大声で云った。
「手前が認可した襲撃だろうが!!!」
しかし、目の前の人物―――紬の方が上手だ。
ただですら中也が事務処理を真剣に熟している中、何もせずにソファに横になって読書していたのに、中也が怒鳴る時にはきっちりと耳を塞いでいた。
「近所迷惑だよ、中也」
「俺の近所は今、手前しか居ねェから良いんだよ!いや、そうじゃねぇ!元々云えば手前ェのせいだろうが!」
「何でも人のせいにするのは良くないよ?」
「お前が居なかったら怒鳴ったりしてねェよ、マジで」
怒りからなのか、呆れなのか。
頭を抱えながら長い息を吐きながら云う。
「おや。それは私のせいになるね」
「やっと判ってくれたか」
「うん。じゃあ帰ろう」
「は?」
「後、宜しくね中也」
すくっと立ち上がり、満面の笑みで手を振る紬。
パタンッ
「……。」
シーーーーーン……………
「………………は?」
こうして中也は見事に仕事を押し付けられてしまったのであった。