第21章 終焉
「中也が勝手に殺してくれたお陰でする事が1つ減ったよ」
「なぁにが勝手にだ。しかも『私の部下に』だと?冗談抜かせ!手前、今まで固定の部下なんざ居たこと無ェだろーが」
「芥川君が居るじゃない」
「四六時中、手前と居ないから許されてンだろーが彼奴は」
そして、何時も通りの喧嘩が始まる。
が、何時も通りでなかったのは此処からだった。
「もう。本当、怖い番犬だなぁ」
「………チクるぞ?」
「あ、嘘うそ!本当に御免!中也のお陰で今日も無事に平和に終わったなー」
「『あの女』の記憶を奪わせた時点で糞鯖の記憶も戻ってる頃だろうからなァ」
「ちょっ…!ホント勘弁してってば!!」
「ぐぁっ!?手前、首絞めんなっ!!オイ!」
「やだやだ!!中也の意地悪!!変態!!」
「よぉーし判った。今から電話してくるわ」
「ちょっ……!!ホントにやめてってば!」
部下2人にこの場の掃除を任せて、2人は地下牢を後にしたのだった。
「………なあ」
「………何だ?」
「中也さんが優勢だったように見えたんだが……」
「奇遇だな。俺もそう見えた……」
引き摺っていたとは云え、ピッタリと引っ付いたまま去っていった2人の事を思い出しながら、ポソポソと会話をした。
「……なあ」
「……何だ?」
「もしかしてもしかするとだ」
「ああ」
「あの2人って……本当は…………」
「嗚呼……俺も思ったところだ…………」
この予想が正しかったんだと知ることが出来たのは、
数時間後に控えた殲滅作戦の後だったーーー。