第16章 暗雲
ポートマフィア地下牢ーーー
其処には1人の男が牢屋に拘束されていた。
40代前半くらいの年齢だろうか。
其処に、黒服の男が1人。
手に食事を持って近付いていく。
「やあ、マフィアさん。『例の薬』について動きはあったかな?」
「……。」
男は無言のまま食事を入れた。
そして、直ぐに振り返り歩き去ろうとする。
が、2、3歩歩いたところで靴に小石でも入ったのだろう。右足の靴を脱いでトントン、と履き直した。
靴のサイズが合っていないのだろう。
拘束されている男はその様子に溜め息を着いて、
出るだけマシだと思わせる程度の質素な食事を始めた。