第15章 首輪
「山吹」
「はいっ……」
「昼飯食ってこい。14時には出る」
「承知しました!」
一礼して山吹は部屋を出ていった。
シン…と静まったところで中也が紬の傍にやってくる。
「何もされてねぇだろーな?」
「されてるわけ無いでしょ」
自身の頭を撫でる手にすり寄る紬。
「治の周辺を探らせて」
「あ?……構わねェが」
「何のためか知らないけれど『異能』の情報を集めてる」
「太宰まで調べられてんのか?」
「私を知るためか何か企んでいるか、無駄なことを」
紬が舌打ちする。
「不穏な動きなら」
「消して」
「へーへー」
中也は懐から電話を取り出すと何かの指示を始めた。