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【文スト】対黒・陰

第15章 首輪


ポートマフィア本部ーーー


「………じゃあそれで」

「承知じゃ」

「異論ありません」


首領である森が書類を見ながら云った言葉に対して他の者が返事したその時だった。

バンッと。
勢いよく部屋の扉が開いた。


「済みませんっ……遅れ…した!」


ぜーぜーと荒い呼吸と共に謝罪を述べる入室者。

「毎度毎度、本当に苦労じゃのう中也」

「姐さん………って手前ェも謝れやコラ!!」


手に持っていた紬を乱暴に扱いながら怒鳴る中也。


「えーーー………私、会議に参加するなんて云った覚えは無いのだけど」

「手前ェの都合なんて聞いて無ェんだよ!会議の度に逃走しやがって」

「だって詰まらないんだもの」

「せめてオブラートに包めや、この莫迦女がっ!!」

ヒュッと繰り出された蹴りをひらりと交わして紬は席に着いた。


「これ紬。あまり中也で遊ぶでない」

「そうは云いますけどね、姐さん。中也以外に愉しい遊び道具が無いんですよ?仕方無いんです」

「誰が遊び道具だ?ぁ"?」

苛つきながら中也も隣に座る。

「あの中原さんっ…私は外で待機を」

「あ?ああ、いいや。此処に座れ」

共に紬を引き摺ってきた中也の秘書、山吹の為に隣の椅子を引いてやる中也。

「うわー。中也が優しいー……気色悪っ」

「俺は誰にでも優しいっつーの」

「本当に優しい人間は自ら優しいなどと云わないのだよ」

「冗談って判んねーのかよ」

「勿論、判っているとも」

「クソが……いっぺん死んでこい手前は」

「だから殺してくれればいいのに」

「気が向かねぇ」


そんなやり取りを観てAがニヤリと笑って口を開いた。


「そんなに死にたいのなら私が殺してさしあげましょうか?」

「「「!」」」



紬以外の全員がピクッと反応する。
話を持ち掛けられた本人はパアッと顔を輝かせている。

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