第2章 幼馴染
中に何が入っているのか?
何で直接潤か俺に頼まなかったのか?
俺は、そうっと鞄を開けて中を見た。
「何?コレ…??」
鞄の中身は、黒い布地と白いひらひら…
これ…って///
そっと出したそれは、紺色のふわふわのスカートに、白い紐が絡みついた…
所謂エプロン…
これは……
「翔…智の忘れ物って何~?」
着替えて二階から降りてきた潤は、俺の手の中にある、白いひらひらを覗き込んだ。
「…ねえ、これってさ~…」
「「メイド服!!」」
見事にハモった俺と潤は、その2秒後、涙を流して大爆笑した。
「あ~…腹痛て~///」
「あの人、こんなん着るんだぁ~!」
暫し、腹を抱えて笑い転げた俺たちは、
こうしちゃいられないと、急いで家を出た。
智くんのこれ着た姿、どうしても見なきゃ!
想像できないけど…
でも…案外可愛かったりしてね~(^^;
俺は、メイド姿の智の仏頂面を想像してまた笑った。
メトロを乗り継いで、智の大学に着いた。
「どこにいるの~?智」
「えっと…母さんと、カフェテリアの前で待ち合わせたらしい、けど……あっ!!いたいた!さとし~!」
潤と俺の姿を見ると、智は怪訝そうな顔をした。
「はい🎵これ、母さんから」
「ちぇっ、母さんに頼んだのに…」
ニヤニヤしている俺たちに、智は怪訝そうな顔をして、
「あのさ、中身、見た?」
「中身?見てないよぉ~。何が入ってるの~?」
笑いを含んだ潤の言い方じゃ、もう見たって言ってるようなもんじゃん(^^;
智は、そんな潤と俺の顔を上目遣いに交互に見ながら、黒い鞄を受け取った。