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Baby blue【気象系BL】

第8章 追憶の日々



父さんと母さんと、俺の本当の母さんは高校の時のクラスメイトだった。

父さんは、俺の母さんも、本当の母さんも、
どっち好きだった…と。

「ねえ、俺の、ほんとの母さんって…何て言うの?」
「のり子だよ。明るくていつも元気なのり子は、みんなの人気者だったんだ」

「…恋人同士、だったの?」

俺の質問に、父さんは少し考えてから続けた。

「父さんは、その時、明るいのり子と、勉強が出来て物静かな美穂と…どっちも好きだったんだ…」

「どっちも…って」


卒業してからも、
気の合った数人のグループでつるんで遊ぶことが多く、その中にのり子さんも母さんもいて。

いつしか、二人と付き合うようになった。

ふたりと付き合うって…
でも俺と智は2歳も違うし…

「色んなことがあって、智と潤を授かった。

父さんはお前の母さんも、美穂も、どっちも同じくらいに愛していた。
世間的には許されない事かもしれないけど。

だから、潤も智も、同じくらいに愛しているよ。
同じくらいに大事なんだ…

のり子がいなくなった後、お前を自分の子どもとして育ててくれている美穂に、俺は感謝しているんだ」

「…そうか…そうだったんだ…」


……話を聞いた俺は、不思議なくらいに落ち着いていた。

というよりも、
なんの感情も湧いてこなかった…

という方が正しいのかもしれない。

だって……

同じくらいなんて…
そんなの嘘だって思っていたから。

少なくとも母さんは…
俺よりも、智の方が大事だ…

確信はないまでにも、何となく…
そう感じていたんだ。

父さんには言わなかったけど…


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