第7章 Crazy for you〜君に夢中〜
気が付けば、俺たちは素っ裸で抱き合っていた。
ぴったりと重なった肌が気持ちいい。
人って、こんなに温かいんだな…
って、改めて知った。
「智くんって思った通りだ~♪」
「思った通り、って?」
「すべすべ…一回触ってみたかったんだ~❤」
「一回って///子どもの頃は…何度も触ってじゃん?」
「そうだっけ~?でも大人になってからは、なかったよね~?智くん…ワザとでしょ?俺を避けてたの…」
避けてた?
翔くんはそう思ってたんだ…
俺が近付かないようにしてたこと。
「俺、嫌われちゃってんのかと思ってたよ~」
「嫌ってなんか…いないよ…」
だって潤が…
翔くんは、潤のものだからさ。
だから…
………
あ、潤……
「今夜の事はさ、潤には内緒ね?」
内緒…潤に…
耳元でそう言った翔くんの甘い響きが、
俺の中でリフレインする…
……そうだよね?
分からなければさ、どうってことない…よね?
「言っとくけど、もう俺、止めらんないよ?
智くんの事…欲しくなっちゃったんだもん❤」
「翔くん…」
答える代わりに、俺はもう一度彼の唇を奪った。
……翔くん…翔くん…
………翔くん、ずっと好きだった…
ずっと我慢してた。
好きになっちゃ、ダメ。
翔くんは潤のもの。
潤の大切な翔くんには、どうしても俺は手を出しちゃダメ。
そう思って、気持ちをずっと押し込めてた。
頭の中に、岡田の言葉が甦る。
『取っちゃえよ』
『先着順じゃない』
……でも、潤のは、ダメだったのに…
「あんっ…」
不意に胸の先を翔くんに摘ままれて、
自分でも驚きの声が漏れた。