• テキストサイズ

Baby blue【気象系BL】

第6章 暗闇の中で



「送ってくよ…智くんの部屋まで…」
「え、あ、うん…ありがと…」

翔くんは、再び俺に手を差し出してくれた。

こんな時だし。
俺は素直にその手をとった。


翔くんが持つ携帯のライトにぼんやりと浮かび上がった階段を、彼の手に引かれて登る。

他のどこにも灯りがなくて…
世の中の全ての明かりが消えると、こんなに真っ暗なんだって始めて知った。

でも、少し先を俺を気遣ってゆっくりと上がる翔くんが、頼もしくって…

んで、ドキドキする…

暗闇の中で、俺の心臓の音が聞こえてしまってるんじゃないかって、そう思って、またドキドキが大きくなった。


……翔くん、君は何とも思ってないんだね?
俺一人が、こんなにドキドキしてるんだね?

そう思ったらなんかさ…
なんか、
悲しいっていうより、悔しくなった。

こんな気持ちは初めてで。

いつもは、こんなのダメだってそう思って、自分の気持ちに蓋をしている…

だけど…

俺だって///


気持ちが溢れ出しそうで……
涙が零れた。


漆黒の闇が、俺の気持ちも溢れた涙も隠してくれる…


俺は、泣いてることを翔くんにばれない様に、
しゃくらないように、すすらないように、
凄い気を付けて歩いた。

なのに…

部屋について、先につま先がベッドに着いた翔くんが、お手の手を引き寄せて言った。

「智くん…泣くほど怖いの?」
って……


なんだよ///
バレてんじゃん…

俺は我慢していたのを思いっきりしゃくりあげた。

すると翔くんは、俺の身体をすっぽりと抱き締めてくれた。


翔くん//////


/ 412ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp