第5章 溢れだす気持ち
岡田と慧が交互に話すには、
岡田は元々慧の家庭教師をしていて、
その時からお互い好きだったらしく、
気持ちは確認しあっていたらしいけど。
岡田は当然堅物代表のようなとこあるから、
大学合格するまでは…
と、清い関係を守っていたらしい。
……そんなことはどうでもいい。
肝心なのは、岡田は男で、
慧も男だ、という事実。
世の中いったい……
「大野くん…君は堅苦しく考えてるのかもしれないけどさ、愛に国境も性別もないんだよ?
必要なのは、相手を好きか?嫌いか?
ようはね…人間愛…これだな~」
「准、上手い事言う~!流石♡」
………上手い事…まあ、確かに聞いていると、そんな気にもなって来るけどさ。
何も言わない、いや、言えない俺に、岡田は、
「だからさ、お前が翔くんを好きな気持ちは、全然間違っちゃいないし、誰にも遠慮することはないんだよ!
なんなら、こんな年まで守って来た清い身体🎵
翔くんに、貰ってもらいなさい!」
「え~!!大野くんって、童貞なの~??
可愛い~♥」
「う、うるさい!!俺は…俺は…」
怒りで声が上ずる…
こいつ等…俺のいないところで、
俺のこと話してバカにしてたんだな~///
「バカになんかしてないよ?
准はね、いつも大野、大野って、
大野さんの事心配してたんだよ?
大好きなんだって!大野さんの事…
あ、勿論エッチしたいの、好きじゃないからね~?」
「わ、分かってるわ!!そんなの…
俺…帰る…」
「え~?コンビニでお昼買って来たよ~?大野さんの分も…食べてけば?」
「…いらない……」
俺は、取りあえずこの場から逃げたくて、岡田のアパートを飛び出した。