第5章 溢れだす気持ち
驚いたまま立ち尽くしている俺に、
「こいつは、伊野尾慧。俺の恋人♪
慧、彼は…」
「大野智🎵准の大学の友達…だよね?」
……だよね?って…何だこいつ?
妙に馴れ馴れしいし…それに。
いったいいくつだよ?
ひょろひょろ背ばっか無駄に高いけど、
まだ、子どもみたいじゃん!
恋人、って言ってるけど、
青少年なんちゃらにひっかかりませんか?
「大野くん、俺こう見えても18歳の大学一年生だから、もう大人🎵だよ?だから大丈夫なんだ~」
「えっ??なんで?」
自分が頭の中で考えていたことに、
さらりと答えられて、俺は狼狽えた。
こいつまさかの、エスパーか??
「エスパーじゃないよ?
准が大野くんの事、心の中が直ぐに顔に出ちゃうから、凄く分かりやすい、って言ってたの…ホントだったね♥️」
「だろ~?」
ホントだったね♥だろ~?
じゃね~わ、全く!!
こんなガキんちょに毛が生えた…
いや、もしかしたら、まだ生えてないか?
「ちゃんと、生えてるから♪ご心配なく~…
なんなら、確認する~??」
「けーい!!」
「は~い…」
岡田にたしなめられ、慧というヤツは、
舌をペロリと出して見せた。
するとそれを見た岡田は、
「かっわいい~♡♡」
と、ハートを二つも付けて、
デレデレと鼻の下を伸ばした。
………なんだよ、マジで??
俺の頭じゃ、おっつかね~ってば///
分かんないことだらけで、
おまけに、あんまり突然過ぎて、
何が分かんないのか、分かんなくって…
イチャイチャする二人を前に、
俺は暫し、呆然と立ち尽くしていた。