第23章 Gravitation~引力~
何度も何度も、重ねてきた身体は、
俺よりも的確に、彼の全てを覚えてる…
突き上げるリズムも…
イクのを我慢するときの苦しそうな表情も
俺を高める抽挿の強さも……
『しょう』と呼ぶ優しい声も
そして、彼の中にある燃える熱情の激しさも…
今まで何度も気持ちと身体を繋げて来た
じゅんの腕の中にいる自分に
何の疑問も持たず、こうして愛されてきた
そして、この先もずっと……
……しょう…
…翔……
…しょお……
夢と現実の狭間で、しばし微睡む俺は、
誰かが優しい手つきで髪を梳くのを、
うっとりと受け入れている…
心地良くて…
ずっと、こうしていたいと思うのに、
その小さな願いとは裏腹に
徐々に覚醒へと引き摺られていく
もう少しだけ………
このままで…
「しょうくん…」
…………
「……翔くん…」
え……!?
重い目蓋を押し上げると、
優しく笑う君が、
俺の顔を覗き込んでいた
「…起きたね?」
「…潤」
「そんなに激しくも無かったはずだよ~?疲れてた?」
……潤…
帰って来たの…?
俺の髪をそっと撫でるその手を握って言った
「潤…なの?」
YesともNoとも図れない、曖昧な表情のままのじゅんは、ゆっくりと俺に近付いてくる
じゅん……
「…翔くん……目、瞑って…」
言われるままに、
そっと目を閉じたその瞬間
優しくて温かい、
春風のような唇が落ちてきた