第5章 溢れだす気持ち
無理やり泊まった岡田の家で、
やたらと飲んだ俺は、その日は昼頃になってのろのろと起きだした。
岡田も当然寝てて…
「あ~…頭、痛って~…」
俺は、頭を押さえながら起き上がり、
勝手にシャワーを浴びようとした。
するとその時、
玄関の鍵をガチャガチャさせる音がして。
なんだ??泥棒か??
どうしよう…強盗だったら、俺、殺されちゃうのか??
死ぬのか!?
……やだ…死にたくない…
もう一回だけ、翔くんに会ってからじゃないと///
「開いた!この鍵、なんか変なんだよね///あれっ?」
「……」
誰だ、こいつ?
ひ弱な強盗か??
「大野さん??」
「…誰?何で俺の名前…」
鍵を開けて入って来た軟弱強盗は、
なぜだか俺の名前を知っていた。
「准~?まだ寝てるの~?お昼買って来たよ~」
准??
准って、准??
「もう~!寝坊助!!」
強盗は寝ている岡田の上から飛び乗って、
そのまま抱きついた。
「へっ?…はっ??」
もう訳が分からなくてパニックの俺を無視して、そいつは、寝ている岡田になんと、唇をくっつけた。
な、な、な……なんだ!?これは…??
「うぅう~ん…なんだ、慧、来たのかよ…」
「だってさ、夕べフラれたもん!
准が浮気してないか見に来たの!」
「あ~、そんな訳ないって言っただろ~?」
そう言ったかと思うと、岡田は俺を今日初めて見て、
「そこで固まってんのが、」
「大野さん、でしょ?すぐ分かったよ…准が言ってた通りだったもん!」
……岡田、俺の事、何て言ってたんだよ///
こいつに…
俺は改めて、どうやら岡田の恋人らしいそいつのことを観察した。
どっから見ても…男…だよな?