第22章 forget me not~忘れないで~
潤がいなくなって、それでも翔を愛し、翔に愛され続けるのは、
そんなの神どころか、悪魔だって許さない…
だから……
「翔…」
「…?」
翔が俺の肩を離し、顔を覗き込んだ
「俺たちさ…もう…もう、さ…」
「何?もう、別れようなんて言うんじゃないよね!?」
「…しょう…」
「どうして?潤に悪いって?そんなの、今更でしょ?潤のこと…潤の身体を大事にしてこなかったJが…今更そんな…」
胸が痛んだ…翔に言われることに、何の反論もできない
Jの時、母さんに、智に、父さんに…
仕返ししたいって思ってた
でもその方法が分からなくて…
Jの間、潤なら到底考えられないような時間を過ごした
男も女も関係なく、言い寄って来るやつは片っ端から身体を重ねた
『向こうがそう願うんだから、何がいけない?』
そんなつもりだった
愛なんてない……
心は、潤の中に置いたままだったから
辛くも無い
ただその場だけ、その瞬間だけ楽しければ、それでいい
名前さえ知らない相手に、温もりを求めた
一時の快楽だけを求めて、何が悪い
翔だけを愛し…
翔だけを信じて、翔しか知らない潤……
反吐が出る…
そう思っていた
だから、翔が俺の前に現れた時、
直ぐに犯してしまおうと思った
そう思ってVIPに誘ったのに…
いざ二人っきりになってみると、俺は翔に指一本触れることが出来なくて…
めちゃくちゃに抱いて、翔の心を、壊してしまおうと思ったのに。
だけど………
できなかった