第5章 溢れだす気持ち
「いいの?彼女、ここに来たかったんじゃないの?」
がっくりしながらも、一応申し訳ないからさ。
そう聞いてみる。
すると岡田は、俺を見てニヤリと笑い、
「いいんだ、いつでも会えるしさ♪それに…
今日は、泣き出しそうな大野くんの話、聞いてやろうかな~…と思って」
泣き出しそう?俺が?
そんな訳…
そう自問自答しながらも、頬を撫でてみる。
俺、何かいつもと違うかな?
「ははは、何も書いてないって、そんなとこに~」
「知ってるよ///」
拗ねる俺に、岡田は、
「俺でよかったら話してみ!いいアドバイスできるかもしれないよ~?さとしくん♪」
俺は岡田の顔をじっと見つめた。
話してみ、っつったってさ…
俺別に、悩んでる訳じゃ…
「あのさ…言わないでいてやろうかと思っていたけど、最近、もう、バレそうだから…お前」
「バレそう?…何が、だよ?」
何を言われるのかと警戒する俺、そんな俺に岡田は、
「大好きな気持ちがさ、もうバレそうだって…そう言ってんの!…いや、もうバレてるかな~?実際」
……何?
………バレるとかって、何言ってんの、こいつ…
「…もう、意味、解んね~し…」
ダメだ///居心地悪い…こいつ、何言おうとしてるん…
「いい?言っても??」
……何もかも見透かす様な彼の目に、じっと見つめらた俺は、言葉が出なくて…
「好きになっちゃいけない人のことが、好きで悩んでる…だろ~?」
「なっ、はっ?訳わかんね…何、それ…」
しどろもどろで、狼狽え捲る俺を、
岡田は見つめたまま続けた。