第20章 君をずっと思ってる
【潤】
夢中で快楽を貪るこの瞬間は、
忘れていられた。
大きな不安も、信じたくない現実も…
翔くんの腕に包まれて、中で熱を感じる、
この時だけが、
今の俺を保つため、唯一の術だった
「…ぁあ…もう、俺…イキそっ…」
「潤…俺も、もっ…無理…」
「…一緒に、イこうよ…」
「…うん…潤〜…愛してるよ…」
翔くんの腰を送るスピードが、一気に上がり、
粟立つ卑猥な音が、俺を駆り立てた
「…んっ あ…イクイクッ…んああっ///」
「潤…俺も、出るっ…んんっ」
解放した熱を手のひらに感じたその瞬間、
俺の中で、愛しい人の熱を感じた…
……涙が…零れ落ちた…
何度か震えた翔くんの身体は、ゆっくりと俺の上に重なり、きつくきつく抱き締められた
翔くん……翔くん、好きだよ、愛してる
ずっと、一緒にいたい…
こうして、熱い胸の中に包まれていたい…
「…泣くな…」
しゃくりあげる俺に、翔くんの優しい低音が届いた
「…ごめん…」
「謝んなって。シャワーする?」
「ん…でも、もう少し…こうして居たい…」
「いいけど。一回、出ても、いい?」
「そうだね…名残惜しいけど…いいよ」
翔くんのが、俺の中を出ていくと、それを追うように、
彼が俺にくれた熱も、零れだしてしまう
「あ、やべっ、なんか凄い出たよな?」
「あ…うん…」
「やっぱ、シャワー…」
「いいから!…いいから、もう少しだけ…」
起き上がり掛けていた翔くんは、俺の言葉に、黙ってベッドにの転がり、腕を伸ばして俺を誘った。
その中に入り込むように胸に凭れると、翔くんは俺の頭をそっと撫でてくれた。
身体中は、汗と、二人分の精液でべとべとだけど、
幸せで…
翔くんの匂いに包まれて、
幸せすぎて、また涙が浮かんできた。
泣いちゃダメだって…
翔くんを困らせてしまうって、
そう分かってるけど…