第20章 君をずっと思ってる
「…ごめん、中入るか?」
抱き締めていた腕を解き、潤の手を引いて部屋の中に入った。
「歩いて行こうか?まだ、明るいから、気持ちイイ…」
「しょうくん///」
潤が、繋いだ手を急に引くから、
俺はバランスを崩して転びそうになった。
「なにっ…」
その瞬間、潤が俺を抱き留め、腕を引き留め、
唇を押し付けてきた
「…ん…」
不意打ちくらった感のある口づけは、
あっという間に深くなる。
「…っ…んっ…じゅ…んん…」
「…ぁっ…はぁ…」
部屋の中は、急に湿り気を帯びた空気に変わり、
ふたりが立てる、余裕のない卑猥な水音が、
酸素不足の身体を包み込んだ。
無遠慮に入り込んできた熱い舌先が、
俺のを絡め取り吸い上げる。
潤…じゅん…どうして、急に…?
その攻撃的なキスは、
まるで、俺を征服するときのJのようで…
……え?……まさか…??
「…ちょ…っと…潤…まさ、か…」
強引な潤の胸を、力ずくで押した。
潤は少しだけ身体を離して俺を見つめた。
……潤だ…
潤の目だ…
「翔くん…Jだと思ったの?」
「あ…いや…」
「いつも…こんな風にJに抱かれるの?」
「潤…」
潤の目が、一瞬悲しげに曇った
俺は…何を…
堪らず彼の頭を引き寄せ、
今度は俺から唇を奪った。
「…んんっ///」
舌をそっと絡め、それを甘噛みすると、
潤の身体は小さく震えた
お互いの間を熱い唾液が行き来して、
息が乱れ、潤の口から、甘い吐息が漏れると、
それは全身をめぐる血液を滾らせ、
一点に向かって流れ出した…
潤…欲しい……
誤魔化してる自分自身、
泣きそうな潤の瞳…
その不安を搔き消すには、
潤と肌を合わせ、熱を分け合うことしか
もう考えられなくなっていた
唇を離し、おでこをくっつけて言った。
「潤…抱きたい…」
潤は、キュッと赤い唇を結んで、
微かに頷いた。