第20章 君をずっと思ってる
【潤】
翔くんは、完璧にスケジュールを組んであった。
その場で考えた〜、みたいな振りで、次の場所を提案するけど、
実はそれは、翔くんが綿密に時間を計算して導き出した観光計画だった。
………翔くんらしいな、って思った。
だから俺は、気付かないふりで、
翔くんについていった。
だって、実際に、翔くんが連れてってくれるところはどこでも…
ちょっと大人味のモカソフトや、
さくさくの天婦羅が付いた蕎麦…
そして、心が洗われるような景色
どれも、俺を喜ばすために、翔くんが考えてくれたプラン……
俺のこと、何でも分かってる彼だからこそ、組み立てられた旅行日程。
「次は?どこ行くの?」
「うん…一旦チェックインしよっか。
行きたいとこあったら、そこから行けばいいし…」
「そうだね!ホテルも楽しみだな〜」
フロントで、翔くんが手続きするのを、少し離れて見ていた。
……ホントに、かっこいいな〜
脚が長くてスラッと細身の翔くんは、黒いセーターとデニムが凄く似合っていた。
まるで、ファッション雑誌から抜け出したみたいで……
ほら、現に今だって、隣でチェックインしているカップルの女の子が、翔くんのこと、チラチラ見てる。
そりゃ〜、そうでしょ♪
一緒にいるの、それ彼氏?
申し訳ないけど、翔くんの方が100倍…
いや、1000倍かっこいいしね〜♪
「何、見てんの?行くよ」
「あ、ああ、うん」
彼女に軽く会釈をして、横を通りすぎた。
少し驚いた顔を見て、僅かな優越感、
そして、
『そんなに他の男見てて、後でもめなきゃいいけどね〜♪』
と思った。
「知り合い?」
「え?いや、知らない。翔くんのこと見てたんだよ…あの娘…」
「へぇ〜、どっかで会ったことあったかなぁ?」
全く……(^^;
こういう、案外天然なとこ、
実は結構好きだよ…翔くん♥️