第4章 揺れる想い
「ビール飲む~?」
「いや、イイ…飲んできたし…つ~か、ここ俺んちだから!!」
「まあまあ、堅い事言わないで♪学祭、お疲れ様!」
「…あ…うん…」
翔くんは俺に密着して、
なんだか嬉しそうにビールを煽っている。
あんまり密着し過ぎているから、
少し離れようかと思った瞬間、
翔くんは俺の肩に頭を凭れかけてきた。
「ねえ、智くん…あれ、可愛かったね♪」
「えっ?あれ?」
「うん❤️メ・イ・ド♪」
「…ぅ…」
翔くんは、そのままの格好で俺を見上げ、どんぐりみたいな大きな目で、俺のことをじーっと見つめてきた。
…………その、濃いアーモンド色の瞳に、
吸い込まれそうだ。
「見たいなぁ〜…♪」
「ふぇっ??」
「着てくれないかなぁ〜…あの服♪ここで」
「なっ!?」
「お願い❤️」
………お願い…って///
そんな可愛くハート付けて首を傾げるから、
思わず『いいよ』って、言いそうになるじゃん!
「だ、だ、ダメに決まってるでしょ?」
「え〜?なんでぇ〜?」
甘えた声出しやがって…
ちくしょ〜!可愛いじゃねーか///
俺は、翔くんを振り切って立ち上がった。
「ダメなもんはダメなの!」
「ちぇっ〜//似合ってたのになぁ…
その辺のチャラチャラした女子大生よりも、よ〜っぽど、可愛かったよ〜、智くん♪」
そうキラキラ笑う翔くん。
言っとくけど、そういうあなたの方が、
断然可愛いから!
翔くんは何にも分かっちゃいない!
俺の仲間の中でも、翔くんのこと狙ってるって…、冗談とも思えない輩が何人もいるんだから!