第20章 君をずっと思ってる
……だから、罰が当たったの、かな…
バチ…ってさ。
これって、罰なのかな?
それとも……
「潤!ほら、早く行こうよ!
見て!もうあんなに人だかりが…」
智に手を繋がれて、スーパーまでダッシュした。
百戦錬磨の主婦たちに混じり、
何とか目的の品をゲットできた俺たち。
二人して、戦利品のトイレットペーパーをぶら下げて、帰り道…昔からあるたい焼き屋に立ち寄った。
「あら、久しぶりだね〜さとちゃん、大きくなって〜…潤ちゃんも…」
小さい頃、ここでたい焼きを買ってもらって食べるのが楽しみだった。
「おばちゃんも、元気そうだね〜」
智が、人懐っこい笑顔で応えてる…
あの頃から10年以上経ったんだ。
おばちゃんも、年取ったなぁ…って正直、そう思った。
「3つちょうだい」
「翔ちゃんの分かい?」
「いや、母ちゃんに。お土産」
「そうかい、翔ちゃんは元気なの?」
「うん、元気だよ…今度買いに来るように言っとくよ〜」
「言っといてよ!おばちゃんあの子のファンだったんだから〜」
「ひでえなぁ〜、こんなイケメンが二人も、目の前にいるのに!」
「やだ、ほんとだー」
智はおばちゃんと笑い合っている。
……智はいつも、こうやって直ぐに誰とでも、打ち解けるんだ。
俺は小さい頃から、そんな智が羨ましかった。
いつも、みんなに愛されてて…
それを当たり前に思ってたから。
俺…いつからこんなに、捻くれて…
「潤、寄り道して、これ…食ってこうぜ!」
「え?ああ、うん…」
俺たちは、来た道を反れて、小さい頃、よく3人で遊んでいた公園へと向かった。
夕暮れ時の小さな公園は人気もなくて…
ベンチに、戦利品を置いた俺たちは、昼間、たくさんの子どもたちが揺らしていたであろうブランコに並んで腰かけた…