第19章 冷酷な真実に…
「潤!ねえ、潤…何か、知ってるの??」
「さっき、東山先生から、聞いた…」
「…聞いた…?…」
先生は黙って深く頷いた。
「先生、話したって、いったい潤に何を!?」
俺は潤の腕を振り解いて、立ち上がろうとして、
潤に抱き締められた。
「翔くん…まだダメだって…」
「先生!!」
潤の腕から身を乗りだして
東山先生に詰め寄った。
「全部、話したよ」
…………全部?
全部、って、いったいどこまで…??
「彼が知る権利のある情報は全部、
ということだよ」
バカな!?
両親の過去のも?
どうして自分が今、この場にいるのかも。
潤は、知ってしまったのか?
恐る恐る潤を見た。
俺のことを離した潤は、
ベッドに浅く腰かけた。
そして顔を上げ、潤は笑った。
まっすぐに俺を見つめる眼差しは
いつもの彼と変わらないけど、
その笑顔は、笑っているというよりは、むしろ泣きそうで…
「…潤…」
「翔くん…俺…」
「潤!!」
今度は俺が、潤を強く強く抱き締めた。
ダメだ!
潤が居なくなるなんて///
そんなの……
そんな事、考えられない。
俺はずっと潤と一緒だった。
あの家に越してきて、
潤の家族とお隣さんになってから。
ずっとずっと、
潤は俺の側に………
側にいたのは、
潤じゃなくて、Jだった?
そんなことは……
分からなかった。
今……俺の腕の中にいるのは、
潤だと思っていたのは、
J…だった?
………潤が後からだって言うのなら、
Jだったんだ。
智に我儘言って、許されていたのは……
何をしても、
智が笑って許していたのは……
俺は幼い頃の
奔放だった潤を思い出していた。