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Baby blue【気象系BL】

第19章 冷酷な真実に…


【J】

俺は正直怖かった

翔が……翔がどう言うのか分からないから。


正直、本当に『潤』が消えていくのか分からないし、
融合して、どちらかがいなくなるのだとしたら…

翔が……

俺ではなく、潤を…

潤の方を残してくれと
そう懇願したら…?

そう強く願ったなら
俺はどうしたらいい……?

俺の存在そのものを、翔に否定されたら…
俺はもう…

この世に存在する意義を見失う…


潤の方がJよりも必要なんだ、
そうはっきりと言われたら…



『潤』として、
翔に愛されるようになったのは高校生の時、

俺は幸せだった…

翔といる時が、
翔に包まれている時だけが、
心から満たされた時間だった。

潤であるときに感じる、
『あるべき場所』
『求められる幸福感』

それが壊れたのが、大学生のとき。

智が……
俺の唯一の幸せさえも奪った

愛され続けたあいつが…
智は何でも持っていたのに…

翔にまで……


許せなくて、

どしても許すことが出来なくて…

寝盗った智だけじゃなくて、
受け入れた翔も……

その時初めて、
翔を奪いたい…

愛するがゆえに、
翔を傷付けたい…

そう思う気持ちが強くなり……

俺は…Jのまま、
翔の前に現れた。

全ては仕組んだこと…


潤を…
智を…

でも翔は、抱かれた経験はない

だったら俺が……

俺が翔を汚す…


愛が、憎しみを生んだ…



そして俺は、翔を抱いた…

高圧的に支配した

有無を言わさぬ行為を強いた


だけど。

翔は穢されることはなかった。
どんな事をしても、
どんなふうに抱いても、

翔は、綺麗なままだった……


抱かれるのが幸せだった『潤』としての自分

そして知った、翔を抱く喜び…

愛する人を征服したような充足感


ごちゃごちゃの感情を持て余していき、
俺は正直、この後どうしたいのか?
どうすべきなのか?

行く先を見失っていった


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