• テキストサイズ

Baby blue【気象系BL】

第4章 揺れる想い



「智〜、母さんもう出掛けるから。
戸締まり忘れないでよ!」

「はーい、分かってるよ〜」

いつまでたっても子ども扱いで、ホントにやんなるよ…


さて。
俺もそろそろ出掛けなきゃ。

俺は乾いたメイド服を畳んでリュックに仕舞うと、玄関でスニーカーを履いた。

ドアノブに手を掛けようとした瞬間、それが外側に開いた。

「わあぁぁ///」
「あ……」

潤だった。

「びっくりしたぁ〜」
「それはこっちの台詞だよ!今帰りって、遅すぎない?」
「あ、うん…寝過ごした…」

そう言って頭を掻くけど、どこか嬉しそうで…

「翔くんと一緒?」
「うん、まあ…」

ニヤけちゃってさ。
朝帰りって、全く……

「母さん怒ってたぞ!連絡くらいしろよな〜」
「……うん、分かったよ…俺、寝るわ…」

そのまま階段を上がっていく、潤の背中を見送ってから、俺はドアに鍵をかけた。


…………寝過ごしたってさ……
どんだけ夕べ、疲れてたんだよ……

あいつら、ホントに……


………………

アホくさ///

翔くんと一緒にいる潤の、ベッドでの甘い時間を、
ちょっとだけ、想像しそうになった俺は、頭を振って、浮かびそうになった映像を追い出した。


…………

『…智くん……』

目を強く瞑ると、優しそうな低音で俺の名を呼ぶ翔くんの顔が、弾けて消えた。


俺は、玄関の鍵をかけると、駅までの道を走り出した。

/ 412ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp