第4章 揺れる想い
俺が家にいる時は、悪いと思うのかそう言う事はしてない///はず…
まあ、親にばれても困るしね~…
イチャイチャしてるのも、親たちからすれば、兄弟がじゃれている~…くらいに思ってるんだろう。
この間も、俺の家の庭でバーベキューをしたとき。
当たり前の顔して翔くんも来ていた。
「あ、うまっ!!おばさん、この肉蕩けそうです~」
「そう?翔くんが来るから、奮発しちゃったの。たくさん食べてね!」
「はい!!遠慮なく~」
翔くんは、明るくて育ちもいいし、そつがないから大人受けもいい。
母ちゃんなんか、『お前も翔くんみたいにハキハキとしていなさいよ!いつもボヤ~っとして…』
なんてさ。
しょうがないだろ~…母ちゃんが、そう育てたんだから。
そう言いたいけど、俺はいつも黙っている。
口答えなんかすれば、3倍になってかえってくるから面倒だし…
そう……
翔くんは、人気者で、友達もたくさんいて。
誰もが翔くんを好きで…
そんな翔くんが、俺には眩しかった。
だから、潤と恋人同士になったことは、正直驚いた。
翔くんを好きだっていう女の子だって、一人や二人じゃない筈。なのに、こんな幼馴染で兄弟みたいな…しかも男の潤と、なんて…
仲が良すぎるとは思っていたけど、
潤から聞いたときは、言葉が出なかった。
「翔くんが、智には話してもいいっていうから」
「…そっか…そうなんだ…よかったな…」
俺はそんな言葉で、潤の初恋が成就したことを祝った。