第19章 冷酷な真実に…
【J】
この先生は、気付いてるんだ。
俺と潤の秘密を…
だったら、どうして俺を呼んだ?
俺がここに来ることは、
『破滅』を意味する……
先生……あんた、何考えてるんだ…?
「J。単刀直入に聞くよ?
潤のことは、どう思ってる?」
「どうって……」
黙り込む俺に、先生は、
「じゃあ、質問を変えよう。翔くんのことはどう思っている」
「どうって言われても…」
「私だからと言って照れたり恥ずかしいと思うことはない…君の言葉に驚くことはない…はずだから…」
東山先生は、そう言って片目を瞑って見せた。
どういう意味だよ、それ…
俺が黙っていると先生は、
「答えられないか…それとも、答えたくない…かな?
仕方ない…じゃあ、翔くんに聞いてみよう…
君と身体を合わせて、どんな感じだったのか…」
「おいっ///止めろ…翔にそんなこと…」
先生は、じっと俺を見つめて唇の端を片方だけ上げた。
ちっ///…この人、どうしても俺の口から聞きたいんだ…
翔が言ってた催眠術…違うか?
そういうので俺を眠らせて、
それで話をさせようとは思わないのか??
まあ、寝ている間に吐かされるのも
不本意といえば不本意だけど…
「翔くんのこと、好き…なのかな?」
「……好き、っていうか…うん…」
改まっていうと、何だかおかしな感じだ…
しかも、こんな見ず知らずの人に…
俺は、部屋の隅に座っている翔を見た。
翔は、不安そうな顔で俺を見つめていた。
……あいつにこんな顔させちゃ、潤に怒られるな…
「翔を愛してる…幸せに……幸せになって欲しいって思ってるよ…」
「幸せになって欲しいって、君が幸せにするんじゃないんだ…」
「……」
ダメだ///
やんわりと明言を避けても、こいつに見透かされてしまう…
さてっと。
どうしようかな?